読譜力をつけよう
「譜読み」はピアノにとって土台づくりです。土台をしっかり固めることで、自分なりの色んな演奏を表現できます。こちらでは譜読みのポイントについてご紹介いたしますので、是非参考になさってみてください。
譜読みが大切な理由
ピアノを弾いている方の中には、譜面を何となく覚えたり、感覚だけで譜読みをしている方もいらっしゃるかと思います。また、初見演奏が得意だったり譜読みが早かったりすると、だいたい弾けた感覚に陥ることもあるため、弾き込みが不足しがちになってしまいます。
特に独学で弾いていて独自の暗譜や譜読みが定着してしまっている方は、本番演奏になると暗譜が飛んでしまったり、しっかりとした演奏ができなかったりする状況になりやすいです。発表会やコンサートなどでは暗譜しなくてはいけないこともあるため、楽譜を深く読んで理解し、繰り返し練習した暗譜の方がより演奏が安定してきます。
パートナーとの連携
よく知っている曲のメロディの譜読みは簡単でも、セコンドの譜読みは初めて聴くような気がして、なかなか思い通りにいかないこともあるでしょう。4手連弾をする際、プリモとセコンドは譜面上でそれぞれ独立しています。
連弾ならではですが、細かく譜読みをはじめる前にざっと楽譜を最後まで目を通して、どちらのパートを弾くかという選択がまず重要です。連弾はパートナーがいてはじめて成立するものですので、自分一人でのペースでは演奏できません。
パートごとにレベルが違いますので、パートナーと相談してどちらを技量を考慮しながら決めます。
また自分のパートを正確に演奏し、息の合った連弾を成功させるためには、しっかりとした読譜力と、相手のパートを良く聴きながら演奏するスキルが求められます。パートナーとフレーズ毎にゆっくり音合わせをし、合わせるタイミングやペダル奏法などの確認作業をする必要もでてきます。
効率の良い譜読みを目指そう
まずは譜読みの正しい読み方、暗譜の正しい覚え方を身につけましょう。
正しい覚え方を身につけることで結果的に譜読みの速度が上がり、ミスを減らすことにも繋がります。
■ 両手で譜読みをする
左右片手ずつの譜読みよりも、なるべく両手で譜読みをする方が効率的です。
指使いを確認しながら、片手だけのの練習、その次にAメロだけ練習、フレーズ毎に練習するなどステップアップしていきます。その際、音の強弱やペダル奏法、抑楊(よくよう)などで演奏をごまかさない様に、それぞれの指を独立させて動かし両手でゆっくり練習します。
この段階では、強弱やスラーなどのアーティキュレーションをつけるようにしましょう。
通しで演奏できるまでしっかりと譜読みをし、弾き込みをはじめる段階まで進んだら、頭の中で整理ができていないポイント、例えば基本音を外す箇所などをおさらいし、もう一度譜面を確認し、実際に音を歌って譜読みをし直します。
■ 大切なのはイメージを創ること
一番イメージが創れる方法は、参考音源を一通り聴くことです。そして4手連弾楽譜の全体を見て、曲のテンポや調号、フレーズ、表現の記号などを確認しながらイメージを膨らませ、曲全体の完成イメージを先に創ることが大切です。頭の中で音が把握できなくても問題ありません。イメージが浮かびましたら、楽譜を見ながら曲の最初から弾いていきます。手や鍵盤を見ず、ゆっくりでも曲想を意識して弾きましょう。
曲想を意識することで、平坦な譜読みと平坦な演奏になることを防ぎます。
また2人がどれくらいの大きさのホールで、どんなお客様の層をターゲットにし、どのように演奏するかイメージすることも重要です。音楽やスポーツ、どのジャンルでもまず、完成(成功)イメージすることは一番大事なポイントです。また練習用サポートCDを活用し、イメージトレーニングとして全体の仕上がりを聴くことにより、譜読みが速くなり演奏の上達が期待できます。
暗譜で練習をし、表現力を磨く
暗譜は必須です。しかしながら発表会やコンサートでは、譜面を置いて演奏される方も多く見受けられますが、暗譜が間に合わず本番に向かっている訳ではありません。演奏中に緊張や高揚感により、どこまで演奏したか分からなくなったり、記憶が飛ぶというアクシデントもあります。演奏者にとっては譜面を置いておくことが、ひとつの「お守り」になります。また安心感を得る意味で持参される方が大半です。
4手連弾は、曲の出だしや曲中のタイミングが重要となるため、何度も合わせてみる必要があります。
しかし、なかなかお互いのスケジュールが合わないときは、当サイトの4手連弾練習用CDもお役立てください。
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